ミズガメの飼育方法

ミズガメの飼育方法

2023年2月27日

ミズガメの飼育方法について解説です。

ミズガメ飼育の基本

君たちはこれからミズガメを飼育するわけだが、種類やカメの大きさによって設備が違ってくるのがミズガメの飼育である。ここでは基本的なことを中心に皆さんが良くお店で目にするベビーサイズ、10㎝以下のミズガメを中心に飼育方法を説明していこうと思います。最終的にはアダルトサイズなどの飼育方法まで今後追記していけたらと思います。ミズガメは種類が多い!生息環境も多彩!大きさによって使える機材使えない機材が出てくる!一生を通じて同じ水槽では飼育不可能!これを文章にまとめろと言うのですから…それではやってみますか。

1. カメが快適に過ごせるような環境を目指す。
2. カメが溺れる等の事故が起こらないようにする。
3. 飼育者の負担を減らせればなお良い。

カメボス
カメボス

この3つが重要である。水温や気温、ライトによる光照射などの飼育環境、それらが事故なく安全に機能すること、水替えや水槽の掃除などの飼育者にかかる負担も考えねばならない。

日光浴ができる陸地と泳ぎ回れる水場が安全に機能しなければならない。
複数飼育の場合も環境は同じ。個体間の相性やストレスなどにもしっかり気を配ろう。
広い水槽飼育の場合は濾過器を付けて水換えの負担軽減も考慮しよう。しかし安全第一でだ。

1. カメが快適に過ごせるような環境を目指す。

気温、水温、水質、光の照射、水の流れる強さ、陸地で日光浴がしやすいかなど。

水温

ミズガメ飼育の場合、水温と気温の両方を気にしてあげないといけません。かめぢからではお店の気温を昼間29度、夜27度にしているため、ミズガメの水温も気温も自然と29度/27度になります。できたらこのようにミズガメを飼育するお部屋の温度を丸ごと管理すると良いです。しかしながら、一般のご家庭では難しいですね。冬季には暖突やスポットライト、底面ヒーター、水中ヒーター、水槽を置く場所の高さなどを考える、ミニ温室をつくるなどして対応しましょう。

夏場
夏場は照明器具でしっかりと昼夜の違いを付けるくらいで気温は暑くなりすぎないように注意すると良いでしょう。水槽の周辺は風通しを良くして、直射日光に当てさえしなければ平気です。扇風機を遠く当てて風を流す、エアコンを使うなどしましょう。人間が暑すぎて死ななければカメもちょうど良い気温の中で生活していると思います。

秋から春
秋から気温が徐々に落ちてきます。9月末くらいまでは無加温で夏の延長で飼育が可能ですが、10月になってくると冷え込みますので保温が必要です(冬眠する場合など除く。冬眠については別項で説明)。12月~3月の真冬は保温をしっかりと考えて実践していかねばなりません。カメを置く部屋の気温を常に温かく、29度くらいにしておくのが良いですが一般のご家庭では難しいのでカメの水槽に対して保温が必要となります。

ミニ温室を作る
一番お勧めの方法です。ラックや棚なんかを買ってきてビニールと組み合わせて自作しても良いですし、園芸用のミニ温室なども比較的安価で売っています。ヒーターを入れて保温しその中にミズガメの水槽を置くと良いでしょう。新鮮な空気は取り込んでいただきたいので密閉はせずに隙間を作って外の空気と温室内の空気が少しずつでも常時交換ができるようにしましょう。ミズガメ用の照明なども放熱しますのでこれらの熱も考慮してサーモスタットなどの調整をすると良いでしょう。良い物が準備できればそこに2つ3つ4つと水槽を入れてミズガメ(またはほかの爬虫類)をまとめて保温することができます。

カメボス
カメボス

一番お勧めとか言いながらあれだが、ビニールとかで保温効果を高めると見栄えがかっこ悪いからミニ温室は好きじゃない。美しくないなあ、まとまりがないなあ、結構場所をとるし、一式作るのに2万円くらいかかるのではないだろうか。しかし、機能面では良いと思う。これから数を増やして趣味を広げていきたい人にはお勧めだ。オレは中学生の頃には超本格的に爬虫類の飼育していたから1個1個の水槽にトゥルーライト、スポットライト、パネルヒーターを付けてそれが自分の部屋に20個くらいはあった。自然と部屋が温室化してた。部屋自体が熱帯、真冬なんて窓開けると白い蒸気になって空気が外に出るんだ。そんな自分の部屋で中学3年間と高校3年間過ごしていた。その結果、学校の成績はクソだった。

水槽を温める 水中ヒーターの場合
パネルヒーターや水中ヒーター、バスキングライトなどを使いミズガメの水槽を保温する方法です。複合的に保温器具を使って適温を作りましょう。上のミニ温室に比べるとより小規模でできます。ハマれば簡単、しかしながらハマらないと失敗することもあるので注意が必要です。まず水中ヒーターですが、これはミズガメに使うのは難しいです。水中ヒーターを有効的に使うには水槽内の水がろ過機などによって流れていることが前提となります。水が動くことにより満遍なくヒーターの熱が広がり水温ができ上がります。そして出来上がった水温はかなり精度が高いです(少なくとも空気の温度よりも外気温の影響を受けにくく固定力が強い)。スッポンモドキなどの飼育にはこの方法は非常に良いです。なぜなら遊泳力に優れ、深い水深やフィルターの流れなどにも対応できる種類だからです。水中ヒーターを有効的に使うために濾過機が必要、濾過を行うためにはそれなりの水深(最低6㎝くらい)が必要という事です。多くの子亀はこの水深ですと溺れてしまいます。水流もありエサもうまく取れない個体が多いです。ほとんどの種類の子亀は足が水底についている状態でないと思うように活動できません。という事で水中ヒーターは使えないのです。甲長10㎝を超えているミズガメは大丈夫な場合も多いですが、後述する、事故や水の流れとカメのストレスについてあるように、濾過機(フィルター)の使用自体あまりお勧めはしません。子亀の飼育でどうしても水中ヒーターを使いたければ水中ヒーターに仕切りを付けて砂利を厚く敷き詰め、地面を底上げをすると良いです。水中ヒーターの空焼きを防止しつつフィルターで弱めの水の流れを作り、水深は浅めという環境ができます。

カメボス
カメボス

中学生の時オオアタマガメを飼育していてな。水中ヒーターを使っていたぞ。甲長12㎝くらいの個体で、水深が深いと全然エサに気が付かない奴だったから水深5~6㎝くらいで底面ろ過を使って飼育していた。カメが結構動くからな。水中ヒーターを蹴っ飛ばしたり、下に潜り込もうとしてヒーターが半分空中に飛び出て空焼きになったことが数回あった。最後は水中ヒーターがぶっ壊れて使えなくなったから、この飼育方法はやめた。危険だからな。水中ヒーターは小さな個体には水深の問題から使えないし、大きめの個体にはこのように破壊されたり外されたりするからお勧めはしない。

水槽を温める パネルヒーターの場合
小さめの水槽で水深も浅ければ理論的にはそこそこ保温できるのではないでしょうか。やったことないのですが…パネルヒーターは保温がアバウトなのでかなり精度が落ちます。水槽のサイズと底面ヒーターのサイズがうまく合っていないと熱くなりすぎたり、ほとんど温かくならなかったりと結果はさまざまに。また、使用する水槽の底の厚さや素材にも注意してください。熱が伝わりにくい頑丈すぎる底であったり、衣装ケースのように底が浮いているような物だと熱の伝導率が悪くなります。初期の立ち上げではカメを入れる前に数日はチェックをして温度を確かめた上で実用すると良いと思います。水温計は必ず入れていつでも温度をチェックできるようにしましょう。季節の変わり目などはこまめに温度を確認するなど気を配りましょう。

カメボス
カメボス

費用は一番安上がりにできそうだ。設備もそれほど大掛かりな物とはならないだろう。ミシニベビーなどを小型の水槽で飼育にするにはまあまあ良い保温方法だと思うぞ。ただし経験がいる。カメにとって温かい、寒いという感覚がわからない初心者にはあまり勧められないぞ。空気もしっかりと温めるためにはバスキングライトが必須だ。底面ヒーターだけでは温度が上がり切らない場合はミニ温室と組み合わせるのもいいかもな。

気温

ミニ温室の場合は気温と水温が自然と同じになるのでそれほど気にしないで大丈夫でしょう。水中ヒーターや底面ヒーターを使用する場合は空気の温度が十分に温まらないことが多いので暖突やバスキングライトを設置して空気を温めましょう。ミズガメが呼吸するために吸い込む空気の温かさが必要です。水は適温でも冷たい空気を長期間吸っていると肺炎などになる恐れがあります。バスキングをする陸地を設置してそこにライトを当ててホットスポットを作ってやれば自然とその周辺の空気も暖まるでしょう。

カメボス
カメボス

陸地がほとんど不要な種類を飼育する場合、例えばマタマタなんかはランチュウ水槽ではなくて、あえて高さがある水槽を使用することで水中ヒーターで暖められた水が蒸発して水槽空間の空気を温めることもできる。つまりは風通しを良くし過ぎない環境で飼うという事だ。あとは通常の照明器具を設置するだけで空気もある程度は温まったりする。陸地にほとんど上がらない、浅い水深を好む種類に使えるセコいテクニックだ。因みにスッポンモドキとかにはダメだ。こいつは深い水深を好むから水面が高くなる、水槽空間があまりないから息継ぎをする際の空気は冷たくなってしまう。

水質

ミズガメの多くは弱酸性から中性を好みます。特別な種類以外は通常の水道水にカルキ抜きをした水をで問題ありません。PHで言うと6.6から7.0でほとんどの種類が問題なく飼育できるでしょう。日本の水道水は中性の水なのでカルキ抜きをするだけでOKです(念のためご自宅の水道水のPHチェックを推奨)。もし井戸水などを使用する場合は事前にPHのチェックをしましょう。ミズガメは熱帯魚などと違いエサを与えるとすぐに水を汚します。フィルター(濾過機)などを付けていても糞やエサの食べかすにより水質が変わるのが早いです。そのためフィルターがあっても10日に1回は水の全交換をした方が良いでしょう(それ以外にエサの食べ残しやカスなどを毎日網でできるだけ除去するのは日課的な作業としてやってください)。特に大型個体には気を配りましょう。

カメボス
カメボス

特に水質に気を配った良い種類はこれだ。
スッポンの仲間、カワガメと名前が付くもの、ピーターズモレニアやカンムリガメ系、WCのミズガメほぼすべて。こんな感じだ。WCのミズガメは全体的に減っているが未だ流通はある。現地ストック~輸送など劣悪な環境でたらい回しにされて店頭に並ぶことが多い。野生で生息していた川の水質に合わせてまずは落ち着かせてやると良いだろう。あとマタマタなんだが、こいつはこなれた水を好む。あまり頻繁に水替えをすると逆に良くないようだ。エサも生きた小魚を丸のみするから食事後も水は汚れない。水替えの回数は少なめにしよう。マタマタは水替えをする場合は熱帯魚のように1/3だけ水を変えるなどの方法がいいぞ。

水の流れ

ミズガメ飼育の場合、水の流れはない方が良いです。ミズガメの多くは水の流れが緩やかな川や沼、湖にいます。水の流れが速い渓流などはいません。濾過機(フィルター)を使う場合は水の流れを弱くしましょう。当方ではフィルターの排出口をガラス壁や障害物に当てて水流を弱めています。そもそも90%のミズガメ水槽にはフィルターを入れずに流れが全くない状態で飼育しております。カメにとって水の流れはストレスになります。フィルターの音や振動もストレスになります。エサが水によって流されてカメが食べにくくなります。

カメボス
カメボス

同じ種類、同じ大きさ(CBベビー)のカメを同じ水深水質広さの環境で一方はフィルターで流れがある状態、もう一方はフィルターなしで流れのない環境で飼育した場合、流れがない方の個体の方が良く餌を食べ、懐くのも早かった。ニホンイシガメ、ヒメニオイ、カブトニオイ、ミシシッピニオイ、アルバーティスマゲクビのベビーなどで実験したがすべてフィルターなしの方が状態が良かった。成長した個体はフィルター有でも問題ないと思うが、ベビーはできるだけ水流のない環境で飼育してやってほしい。

光/照明

爬虫類用蛍光灯は最低限使用してください。できればメタハラソーラーラプターなどを高い位置から当ててやると良いでしょう。当店では店舗の照明としてもソーラーラプター、スドーソラーレ、REXUV70などの爬虫類用メタハラを合計10台以上照射しています。これらの光が自然とミズガメの水槽やリクガメのケージにも注ぎこんでいくので、ケージに設置してある照明との相乗効果でカメたちはかなりご機嫌な気分になっていると思われます。ミズガメの場合、水槽に1台メタハラという感じではなくて水槽のあるお部屋に1台メタハラを天井から照射してあげると良いのではないでしょうか。ミズガメの水槽自体に設置するライトとしては爬虫類用蛍光灯とバスキングライト、好みによってマイクロUV LEDなどもお勧めです。

陸地

日光浴をするための陸地を設置しましょう。正直、カメが水の中にいる場合は紫外線UVBは水によってカットされるためUVを当ててカルシウムの生成と代謝を促すと言うのはほとんど意味がありません。UVBが届いていませんから。有効的にUVBをミズガメに当てるにはミズガメ君に陸地に上がってもらい日光浴をしてもらう必要があります。そのために陸地が必要となります陸地は流木や石などが一般的ですが、後述するようにカメが挟まって溺死したり事故に繋がる必要があるので慎重に形などを選ぶ必要があります。因みに当店ではかめぢからベース一択です。申し訳ありませんが、これ以外の陸地は選択肢にありません。かめぢからベースが優れすぎてしまっているからです(詳しくは飼育機材ページをご参照ください)。飼育を始めたばかりの個体はなかなか陸地に上がっているところを見れないでしょう。カメは自分が安心して安全が確保できないと陸地には上がろうとしません。「1ヶ月、2か月…陸地に上陸しているところを見たことないよ」なんて方もいるのではないでしょうか。そういった慎重な個体もたくさんいます。しかし、飼い主に慣れてくれば陸地に上がるようになります。ミズガメは人がエサをくれることを覚えるのでエサを与えて「オレは敵じゃないよ」「ここは安全だよ」と語りかけてあげてください。バスキングするための陸地を設置してカメが全然上陸していない様子でもそのまま根気よく続けることが大切です。憶病な種類は夜に陸地に上がって甲羅干しをしていることもあります。そおっと観察してみましょう。

カメボス
カメボス

しっかりとした紫外線器具を用いる事、カメを安心させること、さすればカメはガンガン上陸して日光浴をしてくれるぞ。当店の生体在庫ページにあるミズガメ類の写真を見てくれ。どの個体もかめぢからベースの上でくつろいでいるだろう。長い坂もひょいひょい上って毎日バスキングしている。バスキングはカルシウムの吸収を促し、甲羅と皮膚の新陳代謝や殺菌、カメのストレス軽減、セロトニンの上昇からの高揚感の高まりなどを促す。カメが一番幸せを感じているのが日光浴をしている時だろう。その時間を増やしてやるんだ。

砂利

砂利は敷いた方が良いです。カメが水底を歩きやすい、餌カスなどが砂利に沈殿するので水の透明度が高く見える。砂利がないと爪の生え方がいびつになったり変な方向に曲がってしまう事がありますが、砂利を敷くことで綺麗に揃って伸びます。やはりミズガメと言えども水中で踏ん張りを効かせるなど四肢の適切な運動、力の使い方は必要ですので砂利を敷いてあげましょう。砂利は大磯砂利などで良いです。当店では大磯にブラック系の砂利をブレンドしてミズガメを飼育しています。スッポンの仲間などには細かい砂などが良いでしょう。底砂利は水質が極端に変わらないものがお勧めです。

日光浴をするようになるのはカメも安心している証拠だ。
自然の環境に近づけるためにも砂利を敷いてあげよう。
棚などをミニ温室にして水槽をまとめて管理するのもGOODだ。

2. カメが溺れる等の事故が起こらないようにする。

ミズガメの飼育には事故は付きものです☠ 安全第一での飼育を心がけましょう。

溺死☠

ミズガメは流木や石に挟まって溺死することがあります。複雑すぎるレイアウトは避けシンプルな感じにしましょう。また、カメの成長具合によって定期的にレイアウトを見直すようにしてください。以前は通り抜けられた流木の隙間がカメが大きくなり「何とか挟まりながらも力づくで通り抜けられる」と言った状況になってくると危険です。特にキールが発達するチズガメの仲間や活発にパワフルに泳ぎ回るダイヤモンドバックピンなどは特に注意しましょう。

カメボス
カメボス

かめぢからベースを使えばいい。絶対に挟まることがないし普遍的で十分な広さの陸場と無駄のない水中でのスペースを確保できる。これは我ながらかめぢからケージに続く傑作だと思ってる。

感電死☠

内部式フィルターのコードや水中ヒーターのコードなどをかじって感電死してしまう個体もいます。特に顎の力が強くなる大型の個体が引き起こす事故です。フィルター/水中ヒーターのコードは非常に分厚くちょっとやそっと噛んでも大丈夫なものが多いのですが、長い期間使用しているとコードを保護するラバー部分が硬くなるため、カメが噛むとがっぽり穴が空いて漏電しやすくなります。硬くなっているコードは注意が必要です。器具本体とコードの連結部分には力が加わりやすく、破損し漏電することもあるので注意しましょう。水替えなどを際に点検を行うと良いです。

カメボス
カメボス

メンテナンス中、ミズガメの感電死どころかオレが感電したことが10回くらいある。いずれもコードの劣化が原因で亀裂が入っていて内部の銅線が見えていた状態だ。だから基本、水中ヒーターは使わない、フィルターも使わないで飼育するのがいいのだ。

水中ヒーターでの事故☠

カメが激しく泳いだり、水中ヒーターを蹴っ飛ばしたりして空気中にヒーターが露出してしまうとヒーターの故障の原因となります。長期間放置すると水温低下にもなってしまうので注意しましょう。同様にヒーターの気温を感知するサーモスタットのセンサー部分が水中から飛び出てしまうとヒーターの放熱が永遠に続くことになり茹でガメになり死んでしまいます。サーモスタットの誤作動や使用方法も含めて注意しましょう。これはネットで検索しても多く出てくる事故の一つです。ネットで「こんな事故がありました」なんて書いている人はカメが無事だったがゆえにネタとして公表できるのです。無事では済まず、事故で死んでしまったカメもたくさんいて飼い主は自分のプライドや悲しみからそんなのブログに書かない、公表しないっていう人が山ほどいるのを察していただけたらと思います。上陸できるバスキングエリアがあればカメがそこへ避難します。そのため陸地は万一の水温上昇などの備えとしても設置しておくべきです。

カメボス
カメボス

だ、か、ら、水中ヒーターは使うなって言ってんだろ。事故の元になるだけだ。空気で保温してかめぢからベースを陸地とする。これで事故は何も起こらん。

その他の細かい事故☠

ミズガメの仲間は性格が荒い個体も多くほとんどが肉食のため、カメ同士が噛み合ったり喧嘩をすることがよくあります。よくあるツメカケや尾切れなどは他のカメに噛まれてしまった結果ですので同居の際は気を付けましょう。特に同種であっても他個体の指を噛んだりするのでどの種類においてもできるだけ単独飼育が良いです。

カメボス
カメボス

当店では同種同サイズを同じ水槽に入れて飼育していることも多いが、ツメカケなどはまずない。なぜかと言うと飼育がうまいからだ。カメが他のカメを噛むのはなぜか?お腹が減っているのとストレス、もしくはその両方だ。適切にエサを与え、良い環境で飼育してやることでカメも安心して他にちょっかいを出したりしなくなる。

砂利とかを食べる。なんていうのもよくあります。これはカメ自身が浮力を調節したりするために砂利や石を呑む込むこともあるのですが、やはりストレスが原因だったりします。十分な飼育スペース、カメが好む色の光、バスキングができる陸地、流れや振動の少ない水などで飼育することにより必要以上には砂利を食べたりしなくなるでしょう。

カメボス
カメボス

ペットホテルで預かるミズガメが糞をしてそれに砂利が混じっていたりする。砂利のタイプからどのメーカーのなんていう砂利を飼い主が敷いているのかわかる。カメの糞からそのカメの飼育環境まで推測できてしまう。オレってマジでヤバイ奴だと思う。

脱走したりもします。ミズガメは思っている以上に運動神経が良く、それなりに高いところはよじ登りますし、陸地も本気で走ればかなり早いです。ニューギニアカブトガメが本気で走れば改造したミニ四駆よりも早いです。脱走には注意しましょう。部屋の中であればまだしも、屋外の水槽から脱走してしまうとまず見つかりません。水替えの際は水位や陸地から水槽のトップまでの距離などをしっかり確認してカメが登って脱走しないようにしましょう。屋外で飼育する場合は脱走防止の他、猫やアライグマなどに襲われることもあるので必ず網蓋を設置しましょう。

カメボス
カメボス

夏になると増える。カメが逃げました、カメを拾いましたどうしたらいいでしょう?という問い合わせが。知らん、警察へ行け。あと近所の人、カメを拾ってきて「かめぢからさんのところのカメでしょ?道歩いてたよ」とかでっかいミドリガメを持ってくるのはやめてくれ。それはうちのカメじゃない。

やってくれてるだろ?全部カメが噛んだ跡だ。ヒーターや濾過器のコードはこんな風にされてしまう。
コード付け根部分には力が加わりやすく劣化して破損に繋がる。注意が必要だ。
脱走防止のために「返し」を自作してはめ込むなどの工夫も必要です。

3. 飼育者の負担を減らせればなお良い。

つまりはミズガメ飼育に付きものの水替えの事です。

サボらずに水替えをしましょう。水替えをすることがミズガメ飼育で失敗しない最も重要なことです。水替えの回数を減らして負担を減らすのではなくて水替えを楽しくやって負担を減らしてほしいと思います。綺麗にピカピカになったミズガメ水槽を眺めて「いい掃除ができた」「カメも元気だ、ミズガメ最高」と飼育を楽しんでいただければと思います。前述したとおり、濾過機(フィルター)の使用などはミズガメ飼育では事故の元となります。また濾過機があってもミズガメの排泄物や食べ残しはそんなに除去できませんので気休め程度だと思ってください。目に見えた水中のゴミなどは減りますが水質などは確実に悪化するので水替えが必要です(まあ、水替えをあまりしたくなければエサを与えないことです)。水替えをすることのメリットを考えてみましょう。まず水槽が綺麗になり、飼育に関するマイナス面をリセットできます。水替えをする際にカメを手に持ってバケツに入れ替えたり、一時的に水槽から避難させたりします。この「カメを手に持つ」という行為は非常に重要です。カメを持つことによりカメの状態がわかるからです。例えば、体重がいつもより軽いとか、皮膚が荒れているとか、爪が無くなっているとか、異変があった場合すぐに気付いてあげれます。ハンドリングをするのは良いとは思いませんが、たまにカメを手に取って確認することは非常に重要です。水替えをすることでこの確認作業が自然にできるのです。私は2日に1回はお店にいるどのすべてのカメも手に取って確認をしています。つまり2日1回は必ずどの水槽も水替えを行っているという事です(とても大きい水槽は除く)。水槽などを洗う水は普通の水道水で問題ありません。砂利などを敷いている場合は良くかき混ぜて数回すすぎます。水槽のガラス面などもスポンジで磨きヌメヌメをとります。新しく交換する水は前日から作り置きしておくと良いでしょう。カルキ抜き剤を入れてフィルターやぶくぶくで水を動かしておき、水温もある程度は温かく合わせた水を用意しておくようにしましょう。PSBや各種バクテリアなんかを入れておくのも良い事です。先に記述したマタマタのようにこなれた水を好む例外的な種類もいますので、特別な種類は水替えの頻度を調節するなど工夫も必要となってきます。その種に合った水替えを実践していくと良いでしょう。

カメボス
カメボス

ごく一般の家庭で水替えをせずにミズガメを飼育するのは不可能だ。あきらめろ。楽しく水替えをすることを考えた方が効率がいいぞ。オレ自身のカメ飼育でもそこはすごく重要だった。水替えが楽しくなってからすべてがうまくいくようになったぞ。例えばな、水槽を磨くときに水槽を水槽ではなく自分の心だと思え。自分の心を磨いていると思えば…….変な宗教とかじゃないぞ。

カメボス
カメボス

冬の水替えには最後の仕上げにお湯を使うと良い。冷たい水道水で洗った後に温度合わせをした水を入れても水槽や砂利が冷えてしまっていてその影響で水温が落ちる。お湯で仕上げることであらかじめ作っておいた水の温度はそのままにできる。熱帯魚飼育のように丸ごと洗うと濾過バクテリアが死ぬとか考える必要はない。一般家庭でミズガメを飼育する場合、水替え=全てリセットでいいのだ。

大型水槽になると水替えもかなりの大仕事となる。特に冬場はお湯を混ぜたりしながら水温も調節しなければならない。
日頃から濾過機のコードなどはなるべく水中から出すこと、または仕切りをするなど安全対策が必要だ。
割れたりしないPP製のトロ舟などで飼育すると水替え作業は楽だ。画像はトロ舟を改造したかめぢからフォートレス。

ミズガメのエサ

基本的な配合飼料に餌付けさせるようにしましょう。ミズガメの配合飼料は栄養バランスに優れるものが多くリクガメのそれとは異なり単体で与えても問題ありません。種類によっては肉食傾向が強かったり、草食傾向が強かったりしますので、配合飼料を中心に小魚やエビ、ピンクマウス、野菜(水草を食べる等、草食傾向が強い種類)などその種に合ったエサを与えると良いです。配合飼料の選び方ですが、販売されている物はどれも栄養価はほぼ同じです。違うのはスティックの形状と匂いと水の汚れやすさです。当店では水が汚れにくい配合飼料を使っています。スティックパフの結合性などにより水中で粉々になって水が汚れるか、粉々になりにくいかという点に比重を置いています。それによりSERAラフィシリーズを使っています。このブランドのエサは、カメが食いちぎったり取りこぼして砕けたりしてもまったく水が汚れません。

カメボス
カメボス

テトラレプトミン、レプトミンスーパー、カメブロス、キョーリンカメの主食、そのほかほとんどの市販のミズガメエサは水中で砕けたカスで水が濁る。悪いけどオレは使わない。うちではセララフィPを使っている。ラフィは水が絶対に濁らないし、食べかすがちゃんと残って水に浮く。網ですくって掃除して終わり。

カメボス
カメボス

生き餌を与える場合はその生き餌にもエサをしっかりと与え、肉付きを良くしてから与えるのだ。金魚、メダカ、コオロギなどのエサたちにもしっかりとエサを与えることと、できるだけ良い環境で飼育すること。元気なエサというのはそうでないエサと比べるとビタミン含有量が違ってくる。同じ金魚を与えるなら栄養価の優れた金魚を与えた方がいいのだ。良いエサを食べ、ストレスの少ない環境で育ったエサはビタミンが豊富だという科学的論文がある。

SERAシリーズの配合飼料。水が汚れにくくとても使いやすい。
金魚などの小魚にも栄養を与え肉付きを良くしてからカメに与えよう。ビタミンの含有量が違ってくる。
配合に餌付かないベビーにはテールマゴットである。仔ガメにとって最高の嗜好性を発揮する。

エサは1日1回から2回、1週間に2日ほどエサを与えない日があっても良いと思います。1日2回与える場合は配合飼料と乾燥エビ、配合飼料と金魚など異なる2種のエサを与えると栄養バランス的には良いと思います。配合飼料はカメの筋肉や内臓を作るタンパク質、活動に必要なエネルギーを生成する粗脂肪分が主な成分です。カルシウムはあまり含まれていないのでエビやピンクマウスなどで補うと良いでしょう。エサを与えた後はそっとしておこう。水替えをする場合は2時間くらい待ってからがいいでしょう。

ミズガメいろいろ

イシガメ、クサガメの仲間

是非とも基本的なミズガメ飼育方法を丸ごと実践していただき、かめぢからベースで飼育してもらいたい種類です。日光浴をするためベースに登りくつろぎ、水中では元気に泳ぎ回り、エサの時間になると近寄ってくるようになります。

クーター、スライダーの仲間

ベビーサイズの流通が多く将来的なサイズがイメージしにくい種類です。しかし最終的には大きくなり活発でもあるため、将来的にはかなり広いスペースが必要です。強めの光、紫外線照射による日光浴が必要です。

ニオイガメドロガメの仲間

ベビーは可愛く成長してもそれほど大きくならない種類が多いため飼育しやすいでしょう。ミシシッピニオイガメなどはミズガメの入門種なので始めてカメを飼育する方々にもお勧めです。北米の種類は日本国内で冬眠もできますし、室内/屋外を問わずに飼育できます。泳ぐのがうまくないのでエサを取れる浅めの水深で飼育していきましょう。

ナガクビガメの仲間

その特異な体形から魅力的なグループです。キモチ悪いという人もいれば首長竜みたいでカッコ良いという方もいます。生き餌を好む個体が多く、配合飼料に餌付きにくいですが、水質や水温などに気を付ければ飼育はそれほど難しくありません。

ヘビクビガメの仲間

ナガクビガメに似ますがこちらは配合を難なく食べる個体が多いです。しかし、あまり高い水温を好まない種類がいたりと一癖二癖あるものが多いです。良く調べてから飼育に挑戦すると良いでしょう。

ヨコクビガメの仲間

ベビーの頃から泳ぎが非常に上手で水深のある水槽で泳がせて飼育することできます。配合飼料などにも良く餌付きます。やや高めの水温がお勧めですが、水中ヒーター系の事故が多いのもこのグループだと思います。やはり水中ヒーターは使わずに陸地を設けてそこにバスキングライトを当てて気温を上げてやるのが良いでしょう。

ハコヨコクビガメの仲間

環境に慣れればとても丈夫な種類です。WCでの入荷が多いため、傷があったり最初から弱っている個体もいるので購入時は注意しましょう。活発に動き水槽をよじ登って脱走することもあるので注意しましょう。

カワガメの仲間

ベビーの頃から遊泳性が強く深い水深で優雅に泳がせて飼育可能です。体を休めることができる陸地はあったほうが良いです。草食傾向が強いので配合飼料の他、小松菜なども与えて飼育しましょう。どの種類も非常に大きくなるため最終的にはメータークラスの水槽が必要となるでしょう。

スッポンの仲間など

いろいろな意味で癖が強いグループです。狂暴だったり、憶病だったり、弱酸性の水でないと皮膚病が出たりと一筋縄ではいかない個体が多いです。脱走も良くします。何かやらかして飼い主を楽しませてくれる愉快な仲間たちです。

ミズガメ飼育の基本中の基本を記述してみた。初心者からマニアまで必ず頭に入れておいてもらいたいことだ。カメの種類や大きさ、頭数によっても飼育方法は細かく変わってくる。このページでも追記をしていき、時間をかけて細かく分けて説明したいと思う。成長したミズガメはどの種類でもかなりのパワーがある。脱走や事故などにはくれぐれも注意してもらいたい。

ミズガメ類の飼育についてご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。