かめぢからのリクガメ飼育は3次元です。

かめぢからのリクガメ飼育は3次元です。

爬虫類飼育本にあるリクガメの飼育。立体行動はしないので底面積重視のケージを。
間違いです。見ての通りリクガメは立体行動をします。「甲羅を持つ」という、その特異な体型により運動能力が制限される生き物であるため、ヘビやトカゲのように高い場所によじ登ったりはできませんが、リクガメは高い所に行きたがる習性があり、高い場所に行けるのであれば好んで行くという行動が見られます。かめぢからのリクガメは毎日こんな感じです。

カメボス
カメボス

毎日笑ってしまうんだが、各ケージで朝から坂登りレースが展開されている。途中で脱落してしまう個体、ベースに登って端まで行きまた戻って来て坂を下りる、登ってきた個体をぶつかってズルズルと落下したり。エサやりをして落ち着くまでこのレースは何往復も続く。かめぢからベースで3次元行動ができるようにするとリクガメはより活発に動く。登って降りるのがすごく好きらしい。

カメボス
カメボス

ベースはシェルターも兼ねるため基本的には高低差7㎝くらいだ。だが中には高低差22㎝なんていうベースもあり、これほど高くてもカメは登る。このイベラケージはベースまでの高さが地面から22㎝、スロープの角度がキツイためカメは足を滑らせて登れないので90度に曲げて距離を増やして上り角を緩めてある。そんな高さと道のりであっても写真の通りカメは登る。毎日この様子だ。リクガメは立体行動をしない、底面積だけでOKなんていうのは時代遅れの飼育方法である。

カメボス
カメボス

リクガメと言うのは空間認識能力が高く、広い狭いというのがわかる。そのため、狭い水槽やケージで飼育するとそれ自体がストレスとなり弱ってしまう。60㎝水槽でリクガメの長期飼育は不可能。リクガメ本来の動きを見ることさえできないだろう。当店のリクガメはこのように毎日ベースと床部分を行き来して広い空間での生活を満喫している。空間認識能力が高いという事は高い場所へ行く道も記憶できる。ベースを設置して1週間くらいはスロープの位置があやふやな感じで登る程度だが、位置関係を覚えると、毎日決まった時間に最短距離で登ってベースの上で体を温めるようにもなる。また、ベースが高い場所に位置していることもわかっているので毎日登って下を眺めたり確認したりするようなしぐさも観察している。ベビーサイズのリクガメには幅10㎝程度のベース、上のニシヘルマンアダルトになるとベース幅20㎝前後のものにし、カメの大きさによってベースサイズも変えてある。

今日のかめぢから研究まとめ
リクガメは立体的な行動を好んで行う。高い場所に登る、高い場所から降りるといった行動を日常生活の中でも頻繁に行うため、飼育ケージにもこのような高低差を設けてカメの運動欲求を満たしてあげることが大切である。活発に動くという事はカメの代謝を高め、エサ食いの上昇、肥満の防止など、美しく健全な成長に繋がるのである。かめぢからベースのようなギミックではスロープを登る際の爪の摩擦による爪の伸びすぎ防止(足の爪を立てて踏ん張らないと登り切れない)、足腰の強さ育成、またベース下部分はシェルター隠れ家になるというリクガメにとって一石二鳥の環境を実現する。

パネル